課題
- 開発スケジュールが展示会に集中し、出願業務も一時期に偏る
- 明細書作成や中間対応を1人で担当しており、業務負荷が高い
- チェックや実施例追加に時間がかかり、効率化が急務
解決策
- 生成AIツール「appia-engine」を導入し、明細書のドラフト生成を自動化
- AIに複数のパターンを発散させることで、新たな切り口を発見
- 明細書作成を効率化し、思考の時間を確保
効果
- 出願検討が2〜3日から“ほぼ一瞬”に
- 作業時間が約3分の2に短縮
- AIがアイデアを提示することで、開発者との議論がより具体的に
「1人知財」体制で直面した時間の壁
明細書の作成から中間対応まで、すべてを1人で担当しています。 開発会議で出てくるポンチ絵をもとに出願検討を行い、案件が増えると一部を外注する──そんな体制で業務を回してきました。 「年に一度の展示会に向けて開発が集中するので、出願もその時期に重なります。どうしても実施例の追加やチェックに時間がかかってしまうのが課題でした。」 効率化が求められる中、AIツールの活用を模索し始めたのが導入のきっかけでした。
「費用的に使い始めやすい」appia-engineとの出会い
数あるAIツールの中でappia-engineを選んだ理由は、コストと柔軟性でした。
「月額制で、ライセンス数を必要なタイミングで調整できるのが助かりました。中小企業にとって、年間固定費で何百万円という契約は難しい。appia-engineはその点で使いやすかったです。」操作感も直感的で、AIが生成する文章の「感覚的なわかりやすさ」も決め手になったといいます。
AIに“発散”させることで、考えていなかった切り口に気づく
導入後は、主に明細書作成で活用。AIが出力したドラフトを叩き台として、自身で加筆修正を行う運用が定着しています。
「AIに発散させることで、自分では思いつかなかったポイントが見えてきます。Wordにダウンロードして修正し、AIの出力を何度も書き直してもらえるのが良いですね。」事務所に依頼すると、やりとりのたびに時間とコストが発生しますが、AIなら即座に再生成が可能。もう、これが無いと業務が立ち行かなくなっているほどだといいます。
出願検討は「2〜3日が一瞬に」
AIの導入によって、出願検討やドラフト作成のスピードが劇的に向上しました。
「以前は2、3日かかっていた出願検討が、AIの提案で“ほぼ一瞬”になりました。作業全体でも時間が約3分の2に短縮されています。残るのは図面関連くらいですね。」AIが生み出した草案をもとに検討を進めることで、開発者との議論の質も向上。 次の開発案件を検討する際にも、AIが発散的に出した案を提案材料として活用できるようになりました。
「他社製品をAIに入力して、どう回避できるかを検討する──そんな使い方もしています。」
バージョン管理と中間対応への展開を視野に
今後は、明細書の最終版をappia-engine上で管理し、校正機能を活用して整合性をチェックする運用を検討中です。 バージョン管理や部分修正機能の強化が進めば、案件情報の一元管理にもつながります。
「人が確認した最終版をAIに戻し、校正や提案に活かせる仕組みになれば理想的ですね。」
「AIが書く」ことで、人が“考える時間”を取り戻す
AIが文章を生成し、人が判断・創造に集中する。知財業務の新しいバランスが生まれつつあります。
「AIが草案を出してくれることで、自分は“考える”ことに専念できる。 これからは、AIと人が役割を分担するのが当たり前になると思います。」
