2026.2.28

「時間が短縮され、検討に回せる案件数も増えた」──AI前提の業務設計で、出願・中間対応を整理した事業会社知財部の取り組み

属性:企業技術分野:IT従業員数:1,300名

課題

  • 出願件数の増加により、出願準備や中間対応の進捗管理が複雑化していた
  • 発散的なブレストから発明を発掘することが多く、ポイント整理に手間がかかっていた
  • 情報が分散し、過去の検討経緯を追うのに時間がかかっていた

解決策

  • 「appia-engine」を導入し、AI活用を前提に業務フローを再設計
  • 発明抽出から出願方針検討、中間対応初動までをAIで支援
  • 案件単位で情報を一元管理

効果

  • 発明発掘の時間は削減し、出願方針決定までの時間を短縮
  • 検討に回せる案件数が増加
  • 中間対応時の作業負荷を大幅に軽減

増え続ける案件と、複雑化する管理業務

導入前は、知財部がエンジニアへのヒアリングを行い、出願方針をまとめたうえで特許事務所に依頼する体制でした。明細書作成は事務所が担当し、中間対応については、方針検討を知財部または事務所で行い、最終的な方針を事務所に伝えて補正書や意見書を作成してもらう流れです。 業務としては一般的な体制でしたが、出願件数が増えるにつれて課題が顕在化してきました。 また、発散的なブレインストーミングから発明を発掘するケースも多く、議論の中から重要なポイントを整理する作業にも時間がかかっていました。 アイデア自体は出てくるのですが、どこが発明のポイントなのかを整理するのに苦労していました。

業務フロー見直しのタイミングで、AI前提の設計へ

「appia-engine」を知ったきっかけは、業務フロー全体の整理を進めていたタイミングでした。導入を決めた理由は、直感的に使えそうだと感じたこと、そして情報の一元化ができそうだった点です。

「AIが活用できて、操作が分かりやすく、案件情報をまとめて管理できる点がとても便利で、チーム全体で使えるツールだとイメージできたのも導入の決め手になりました。」
業務を整理するなら、最初からAIツールを取り入れた状態で設計したいと考えていたところ、appia-engineに出会い、チームで使うイメージが湧きました。

発明抽出から中間対応初動までをAIで支援

現在は、appia-engineをさまざまな業務で活用しています。 技術者へのヒアリング内容から発明を抽出する際には発明抽出AIを利用し、出願方針の検討には発明提案書生成AIを活用。 さらに、中間対応では構成要素対比表生成AIを用いて、初動検討を行っています。 導入後、大きかったのは「AIを使う前提」で業務プロセスを設計できた点です。 自社でプロンプトを作成・管理する必要がない点も、現場の負担軽減につながっています。

「プロンプトをどうするか悩まなくても、特許業務に特化したツールなので、誰しもがAIを自然に使えるのはとても助かっています。」

案件数増加を支える、情報一元化と時短効果

定量的な効果としては、発明発掘にかかる時間が削減され、出願方針を決めるまでの時間が短縮されました。その結果、検討に回せる案件数が増えています。 中間対応時の構成要素対比表作成についても、AIを使っていなかった頃と比べて、時間が短縮されました。

「案件単位で情報が一元化されているので、データを探す時間がほとんどなくなりました。」
過去の検討メモや補正内容、出願時の方針にもすぐにアクセスできるため、拒絶理由通知が複数回来た場合でも、状況を把握しやすくなりました。

知財業務のハブとしての進化に期待

今後は、特許事務所との情報のやり取りも、appia-engine上で完結させたいと考えています。 「現状では、Wordで受け取った原稿をappia-engineにアップする作業が発生しています。この部分も一元化できると、さらに効率が上がるはずです。」 また、中間方針提案AIについても関心を寄せており、更なる機能の活用のためにチームで検討を進めています。

AI前提の業務設計がもたらすチームでの生産性向上

appia-engineの導入をきっかけに、案件管理から発明整理、中間対応までが一つの基盤でつながり、業務の複雑さは着実に解消されています。 AI前提の知財業務の新しい仕組みが、いま生まれ始めています。